オジサン!アトリエ・エノン 影のサポーター 

アトリエの隣に住んでいたオジサンが亡くなった。

俗にいう『孤独死』というヤツです。
死後5日。わずか数メートル離れた所で、気付かずに仕事をしていた自分を悔やむ。

 

何日か姿を見ないと『オジサン、元気ですか!?』と声をかけていたのに。

 

開業当初、仕事が無くてゴハンが喉を通らない時、忙しくて食事をとれない時、絶妙のタイミングで差し入れをしてくれた。

 

【ちゃんと食べてるか!】

 

おにぎり、パン、峠の釜めし、崎陽軒のシウマイ弁当・・・

暑くなると、栄養ドリンクやビール。『ちゃんと水分摂れよ!』オジサン、ビールは水分じゃないんだってば(笑)

 

他にも焼酎や酒のツマミ。普段は生真面目だけど、一杯やったオジサンは饒舌だった。

 

きっと、きっと俺みたいな息子が昔いたんじゃないかなと想像していた。いつも気にかけてくれた。

部屋の片づけをしていたオジサンの友達に聞いた。

『隣のお兄ちゃんが頑張っててかわいいんだよ』いつも言ってたらしい。

 

今年の正月はインフルエンザに罹ったオジサンに差し入れしてたら、見事にもらった。

 

アトリエ・エノンに注文をくれるお客さん。応援してくれる仲間。そしてこういったオジサンがいて俺はやってこれたんだ。忘れるとこだったよ。

 

『今度飲もうな!』約束は叶わなかったよ。

 

いい人ぶるつもりもないし、お涙ちょうだいもキライ。

キライな人なんてどうなっても構わないと思うし。

 

やりたいことは【今】やっておかないと【いつか】なんて絶対ないんだと思った。

オジサンの幽霊なんて全然怖くないから、隣の部屋を借りようかななんて思ってる。

 

名取さん!あの世で絶対飲りましょう!待っててね☆

オジサンから最後にもらったビールと、よくもらったシウマイ弁当で献杯した。